最終更新日:2023/12/04
宮城には、東北で唯一の寄席の定席があります。その名は魅知国定席「花座」。寄席とは、落語をはじめ、技を見せる芸や漫才などを楽しむことができる演芸場のことです。その歴史は古く、もともとは大道芸として外で行われていた芸能が、江戸時代半ばに専用の場所で演じられたことが始まりと言われています。ラジオやテレビのない時代、庶民の人気を集めた寄席は芝居と並ぶ娯楽の1つでした。
花座の定席の公演スケジュールは月の上旬に行われる上席(かみせき)、下旬に行われる下席(しもせき)があります。中旬は単独公演や講談教室など、その月によってスケジュール内容が変わります。
笑う門には福来る。私は笑う者には福来ると思っています。
最近、日々の忙しさに追われて笑うことを忘れてしまっていたので、笑いを求めて寄席へ行ってまいりました。
寄席自体は初体験でしたので、どの演目にしようか悩みました。下席は何組かの出演者で構成されているので落語も漫才も楽しみたい私は下席を選んで観に行きました。
この日の出演は前座が瀧川はち水鯉さん、落語は二ツ目の昔昔亭昇さん、真打の昔昔亭桃之助さん、漫才はまつトミさん、ストロングスタイルさんでした。
公演時間は120分。開演の30分前開場で席は全席自由席です。入場料2000円を受付で支払います。
寄席のお席は2階にありますので、靴を脱いで入ります。
裸足でご入場はできませんので靴下などをご着用ください。
おぉ~!これが寄席の席か~!と心の声が漏れ出ます。提灯に、お囃子の音。ワクワクが止まりません。
開演直前に鳴る一番太鼓。軽快な太鼓のリズムで幕開けです。
トップバッターの前座は瀧川はち水鯉さん。勢いのあるしゃべりとテンポの良い落語で会場の空気を温めます。よく噛まずに喋れるなぁと感心させられます。ちなみに一番太鼓も前座が生で叩きます。これも1つの芸のように感じました。
続いては地元ではお馴染み、ストロングスタイルさんの漫才。長寿ローカル番組のリポーターのイメージが強かったのですが、本職の漫才はさすがといったもの。地元ネタを入れつつお客さんを巻き込むのが上手なので、まわりは笑いの渦に包まれました。そして1人1人に目線をくれているのが印象的でした。会場がコンパクトなので出演者との距離が近く、アットホームでいいなと感じました。
続きましては、昔昔亭昇さん。昔昔亭と書いて、せきせきていと読みます。顔の表現も豊かで、話し方にも抑揚があり、見事に落語の物語に引き込まれていきます。これぞ落語というものを観させていただきました。
ここで仲入り(休憩)が入ります。トイレは会場の一番後ろにあります。1階には女性専用トイレがあります。
仲入り後は、まつトミさんの漫才から始まりました。ボケ担当の自由奔放なまっちゃんの勢い止まらぬ圧倒的な宮城なまりと、トミちゃんの軌道修正ツッコミの掛け合いが面白く、お客さんの笑いを誘います。会場からはどっかんどっかん笑いが起こりました。
トリは昔昔亭桃之助さん。時事ネタから始まり、とんちを効かせた噺もあり、聞いていて飽きないあっという間の30分でした。お酒を飲む仕草や一升瓶を持ち上げてお酒を注ぐ仕草は素晴らしかったです。
公演終了後、周りからは「笑った笑った~」「よかったわ~」との声が聞こえてきました。
実際に会場内は終始お客さんの笑い声で溢れかえり、気づけば自分もハンカチ片手に笑い泣き状態でした。
会場前方左側からの写真
会場前方右側からの写真
会場後方右側からの写真
会場後方左側からの写真
会場後方正面からの写真
花座の定席は決して広くはなく、こぢんまりとした感じなのですが、かえってそれが出演者の息遣いも聞こえる距離感で寄席をダイレクトで味わえるので個人的におすすめです。
ストロングスタイルの伊藤さんと糸賀さんにもお話を伺う事ができたのですが、花座は地元の出演者のみならず、全国的に活躍されている方も出演されているとのことで、宮城県外のお客様も多くいらっしゃるとのことでした。観光ついでにひと笑いするのはありですね!
寄席って、なんとなく敷居が高く踏み込みづらい世界のような気がしていたのですが、そのようなことは全くなく、いつでも気軽に笑いを楽しめる場所なんだなと感じました。
お正月に初笑いしたいお客さんは多く、お正月の初席は大変賑わうそうなので、チケット購入はお早めに!
落語豆知識【落語の階級】
前座・・・修行期間。師匠の身の回りのお世話をしたり、寄席の開演前から終演後まで寄席の進行に必要な雑務をこなします。修行期間は約3~5年程。
二ツ目・・・落語家のスタートライン。紋付きの着物と羽織を着ることができるようになり、専用の出囃子も持つことができます。寄席では2番目の出番となります。
真打・・・二ツ目になって10年程で真打に昇進となります。昇進基準は所属団体によって違います。真打になると師匠と呼ばれ、弟子を持つこともできます。
【施設詳細】
住所:宮城県仙台市青葉区一番町4丁目4-23
アクセス:公共交通機関利用 仙台市地下鉄南北線勾当台公園駅 南2・南3出口より徒歩3分
JR仙台駅よりタクシーで約10分
車利用 提携駐車場隣接「ニュー白津パーキング(車高155㎝)」
花座公演ご観覧の方1時間無料
チケットの購入・予約はお電話、花座WEB、花座店頭で前日まで承ります。
電話番号:022-796-0873 (10:00~17:00)
※一部のチケットはチケットぴあでも購入可能です。詳しくはチラシ、又は公式HPにてご確認ください。
購入後の変更、キャンセルは出来かねますのでご了承ください。
公式HP:https://hanaza.jp/
Instagram https://www.instagram.com/hanaza_sendai/
年末年始の営業について
12/28(木)~12/31(日)休館日
1/1(月)10:00営業開始
電話予約・お問い合わせは12/27(水)17:00まで
花座WEB予約は公演日前日の17:00まで
チケットぴあ 公演日前日の24:00まで
この記事のライター
ニックネーム/かなこ 塩釜市出身、仙台市在住 元ツアープランナー 国内旅行業務取扱管理者 好きなもの/花、植物、酒、トロンボーン、すずめ踊り、スポーツ観戦 旅行好きの両親のもとに生まれ、旅行好きに育ちました。推しのツーリズムはコミュニティツーリズムと グリーンツーリズムです。 |
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