最終更新日:2024/08/02
こんにちは!宮城まるごと探訪地元Webライターの堀口りなこです。
毎年8月8日は「世界猫の日」とされており、記念日の前後は、猫への関心が特に高まります。
猫は人と共生することを選び、世界中で愛されていますよね。
猫を神として祀ってきた歴史も数多くありますが、宮城県にも猫神様がいるのをご存知ですか?
今回は猫神様のいる丸森町(まるもりまち)で、猫碑巡りをしてきました。
「猫碑ってなに?」「どうして丸森町に猫碑があるの?」気になる皆さん必見です。
猫碑を巡る体験プログラム「丸森町で猫神さま小道さんぽ♪」
丸森町観光案内所「やまゆり館」にて、町の特色に触れる。
今回筆者が参加したのは「丸森町で猫神さま小道さんぽ♪」という体験プログラムです。
丸森町観光案内所さんが通年にわたって開催しており、Webか電話からの申込制となっています。
街歩きコースと、不動尊公園周辺に特化したコースの2つがありますが、筆者は街歩きのコースを選びました。
館長の小野さんから、町の特色の紹介を受けます。
福島県出身の筆者は、右も左も分からない初心者ですが、丁寧にご紹介いただきました。
丸森町は、今年(2024年)で合併70周年を迎えたそうで、昭和29年に2町6村が合併されたそうです。
「耕野(こうや)」「筆甫(ひっぽ)」といった合併前の町村名は、地区の名前に活かされています。
町内の伝統食といえば「ころ柿」や「へそ大根」ですが、手作り体験の受け入れも行っているそうです。
かつては養蚕業も盛んだった町ですが、何やらこれが「猫神様」へと繋がっていくのだとか。
これから少しずつ謎を紐解いていきます。
猫神さま小道さんぽを体験!
1.ほ~っといっぷく陽だまり工房
いよいよ街に繰り出します。最初に訪れたのは「ほ〜っといっぷく陽だまり工房」さんです。
ここでは可愛らしいまゆ細工に出会うことができます。
1つひとつ手作りされているそうで、猫をモチーフにしたものを中心に、たくさんの種類が並べられていました。
今でも養蚕の歴史は受け継がれているのですね。
※営業日は土日祝日限定となっています。
2.ポケットパーク(丸森町町東公園)
「ポケットパーク」という愛称で親しまれている小さな公園です。
左下に見える可愛らしいマンホールは、通称「ポケふた」と呼ばれるポケモンマンホール。
猫神様がいる町ということもあって「ニャース」と「ニャスパー」が選ばれたそうです。
みやぎ応援ポケモンに選ばれている「ラプラス」に乗っている姿は、とても可愛らしいですよ。
3.レトロな看板(中央通り)
中央通りでは、レトロな看板を目にすることができます。
かつて商工会が店舗の目印として設置したようですが、街並みによく溶け込んでいます。
写真は文具の看板ですが、中にはお釈迦様をモチーフにした不思議なものまでありましたよ。
4.西円寺(さいえんじ)
いよいよ、猫碑スポットに突入します。
江戸時代に創建された西円寺では、猫碑が8基も並んでいるということで、人気スポットになっています。
猫碑を目の前に、猫神様の紙芝居が始まります。
先ほど丸森町の養蚕について触れましたが、養蚕業に一役買っていたのが猫!
蚕の天敵であるネズミを退治してくれる猫は、大変重宝されました。
猫碑を建てた目的はさまざまで、猫の供養、猫の成長祈願、養蚕の豊作祈願が主だったと考えられています。
さらに、日本にある猫碑およそ170基のうち、80基ほどが丸森町に建っているものということには、驚かされます。
8基の中から、一部を抜粋してご紹介します。
筆者としては写真左側の猫碑が、最も分かりやすく感じました。
これは1930年に建てられ、当時、町内で今でも営業されている旅館「大槻旅館」さんが飼われていた猫なのではないかと考えられています。
縞模様の猫とともに、施主である「大槻うん」の文字が刻まれているのです。
大槻旅館さんはその昔、さんげと呼ばれる養蚕農家だったのだとか。
石に刻まれている猫碑だけではなく、石のくぼみで猫をかたちどっているタイプもあり、個性豊かです。
見晴らしがよい場所から、町全体を眺めることもできます。
丸森町は1769年に水害にあったことがきっかけとなり、1800年初頭に大規模な町場替えをされているのだとか。
令和になってからも水害は発生していますが、町場替えをしていたからこそリスクを軽減できた点も、少なからずあるそうです。
5.細内観音堂(ほそうちかんのうどう)
細内観音堂は、百々石公園(どどいしこうえん)の入り口にあります。
「どどいし」という聞きなれない響きですが、大きな石がたくさんあることが由来になっているそうです。
丸森町は花崗岩地帯(かこうがんちたい)ということもあって、石が数多く散見されます。
細内観音堂がひっそりと佇んでいます。
ここで見られる猫碑は、「ふじ」という名前の猫を祀るために建てられたとされています。
この施主の子孫を名乗る人が、屋根でこの猫碑を保護したのだそうです。
さて、ここまでご紹介した猫碑ですが、猫碑の研究には、村田町で歴史みらい館の館長をされている石黒さんが深く関わっていることも教えていただきました。
毎年開催されている「猫神祭」などでも、石黒さんから貴重な講話を聞くことができるのだそうです。
猫神祭は、2022年を皮切りにスタートしたイベントで、昨年はおよそ1,400人が足を運んだという人気ぶり!
来年(2025年)は、2日間での開催を検討されているとのことで、とても楽しみですね。
6.やまゆり館(ゴール)
観光案内所に戻ってきました。
約2㎞の散策でしたが、濃密な時間を過ごすことができました。
観光案内所で販売されている御朱印は、旅の記念として手に取る方も多いようです。
猫の鳴き声「にゃん」にちなんで、2日と22日は、限定バージョンの御朱印をお買い求めいただけます。
体験に参加される方は、やはり猫好きさんが多く、中には関東圏からの参加もあるとのことで、注目度の高さが伺えますね。
「猫碑をはじめ、石碑や文化が伝わっていくことで、町全体を知ってもらえれば」と、館長の小野さんがお話しされます。
かつて養蚕業に欠かせない存在であった猫は、時を超えた令和では、町おこしに欠かせない存在となっています。
そんな猫と丸森町の深い繋がりは、これからも絶えず続いていくことに違いありません。
今回、観光案内所の皆さんが、気さくに丁寧に接してくださったことも印象に残っています。
猫神様を始め、町のあれこれを知り尽くしている職員さんが勢ぞろいしていますので、ぜひ気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか?
猫モチーフのお菓子やグッズも見逃せない!
栄泉堂
左が生どら焼き「猫神様が通る」右が「猫最中」です。
食べるのがもったいないほどの愛らしさが特徴的な猫最中。
中には「柚子餡」が練りこまれており、甘さの中に感じられる柚のさっぱりさがアクセントになっています。
「猫神様が通る」は、丸森町を代表する猫スイーツと言っても過言ではないでしょう。
猫の足跡の焼き印が目を引き、可愛らしさと美味しさを1度に楽しむことができます。
小豆餡とバタークリームがかけ合わされた優しい味わいと、ふわふわと軽い生地の食感は、何度でも食べたくなる美味しさです。
ふるさと納税の返礼品としても好評で、ふるさと納税和菓子部門において「全国3位」に選ばれた実績があります。
【店舗情報】
丸森町大内字町53(大内本店 )
丸森町字除29(丸森支店 )
TEL:0224-79-2031(大内本店)/0224-72-2492(丸森支店)
CawaCaffe-カワカフェ-
クッキーやシフォンケーキといった洋菓子にもご注目ください。
猫神シフォンケーキ「ねこるん」シリーズから、筆者は三毛猫をイメージしたココア風味のフレーバーを選びました。
ふんわりかつ口当たりもよいので、1度食べたら癖になりますよ。
「猫神様の福おくり」は、猫がぎゅっと何かを大事そうに抱きしめているように見えますね。
左から、赤い鯛、子猫、青いバラ、アーモンドを抱きしめていて、これらを4つの福に見立てているようです。
個人的にはアーモンドには縁起物のイメージがあまりなかったのですが、調べてみたところ、繁栄を表す象徴という意味を持つことが分かりました。
小さなお子様にも喜ばれそうな、何ともおめでたいクッキーです。
【店舗情報】
丸森町舘矢間木沼字木沼町7
丸森町観光案内所
丸森町観光案内所では「タビスルヤマネコ」という名前の、オリジナルキャラクターが活躍しています。
なんとこのキャラクターは、観光案内所の職員さんが自らデザインされているとのこと!
猫碑の中から飛び出したタビスルヤマネコさんは、今日も丸森町の観光発信を行っています。
グッズはもちろん、LINEスタンプも最近登場したということで、気になった方は調べてみてくださいね。
まとめ
・丸森町では通年にわたって「丸森町で猫神さま小道さんぽ♪」が楽しめる。
養蚕業と猫との関係性は深く、町内では様々な猫碑がみられ、その数日本一とされている。
体験プログラムに参加することで、猫碑だけではなく、町全体の特色を知るきっかけとなる
・猫神様で町おこしをしようと、様々なお菓子やグッズが町内で販売されている。
「栄泉堂」や「CawaCaffe」で販売されている猫モチーフのお菓子、丸森町観光案内所のオリジナルキャラクター「タビスルヤマネコ」にも注目してほしい。
丸森町観光案内所やまゆり館
【場所】 宮城県伊具郡丸森町字町東83-1
【連絡先】 0224-72-6663
【営業時間】 9:00〜17:00
【休業日】 年末年始
【駐車場】 有り
【SNS】 https://www.instagram.com/marumori_kankouannaijo/
https://twitter.com/tabiyamarumori/
【申込URL】https://forms.gle/RR1sxQLveCffdTa46 ※電話での申込も可能です。
この記事のライター
ニックネーム/堀口りなこ 1994年生まれ。福島県中通り出身です。 2023年の春より、ご縁があって宮城県にまいりました。 ねことコーヒーをこよなく愛しています。美味しいものも大好きです。 宮城県の魅力をたっぷりとお届けしていきますので「お、ここ行ってみたいかも!」と、少しでも感じていただけたらうれしいです。 どうぞよろしくお願いいたします。 |
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